Linux初心者から抜け出すための最適本「シェルプログラミング実用テクニック」
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最終更新日:2017/05/07
bookreview, programing
しばらく、LinuxやらMacのターミナル触ってると、こんなことを感じる人も多いのでは。
「cdやらrmやら、基本的な事はできるようになったなぁ。でも、あと、なにができるんやろ?」
この本読めばわかりますよ。ホイサッサ。そして、Linux世界感が広がります。
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本書を手にとったきっかけ
Linux、今までも、なんとなくは触る機会があった。仕事ではAmazon Linuxを2年ほど使っていたし、このブログもさくらのVPS上のCent OSで動いているし、まぁ最低限の使い方は知っていたわけなんですよね。
Macも元はBSD UNIXベースなだけあって、何気にUnix、Linux環境はそこらへんに存在している。
ただ、最近入った現場が、あろうことか、「ネットに繋げない」という、もう自分にとっては窒息して死んでしまいそうな環境だったんですよ。
日々の仕事においても、コマンドの使い方を調べるのにも一苦労。Google先生がいないこの環境で生き残っていくには、「これ、本読まないとやってられんわ・・・」と感じていたところに、電脳会議で知ったのが、この本でした。
書籍紹介
公式の書籍紹介はこちら。
月刊誌「Software Design」の連載をまとめたものになってます。
Kindle版もあるので、お好みで選びましょう。自分はタブレット自由に使えない現場なので、普通の紙です。結構分厚い。
目次はこんな感じ
第1章 準備運動
第2章 不定型な文章や設定ファイルの検索と加工
第3章 ファイルの取り扱いとシステムの操作
第4章 ファイルシステムをデータベースにする
第5章 大きなデータを処理する
第6章 画像,表計算ソフト,その他特殊なデータを扱う
第7章 CLI的インターネットとの付き合い方
第8章 計算
自分の中では、最近の技術評論社は、ナイスな本連発していて好きです。うちにも、こんだけあったり。
この本の特徴
最初の第1章で準備運動した後、各テーマにそって、これでもかというぐらい、コマンドの実例が紹介されてます。基本的にはずーっとこの形式。コマンドリファレンス系の本と根本的に違うのは、実際の利用シーンに当てはめた目次の構成というところにつきる。
ちょっと2例ほど、紹介。
ワンライナーでの制御構文
指定した拡張子のファイルのバックアップを取得するコマンド。テキストファイルに並べたファイル名や、各コマンドの標準出力結果を、コマンドに流し込みたいときなんかに、物凄く使います。
AWKの基礎解説
初心者脱出には避けて通れないAWKの解説とか。基本やけど、一度知ると恐ろしく便利。
$ cat data
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
$ cat data | awk ‘{print $2,$4}’
2 4
7 9
いわゆるひとつのリファレンス本とは、趣きが異なります。コラムも何気に充実してたり。
オススメの読み方
そんなわけで、買ってみて2ヶ月ほど。仕事の合間にひと通り読んでみて感じた、ハマコーなりのこの本の読み方を紹介します。
「第1章 準備運動」を、手を動かしてなじませる
「第1章 準備運動」については、できれば、本当の準備運動のごとく、実際にコマンドを試して基礎体力を身につけることを強くおススメします。
内容をさらっと眺めてみて、「こんなん余裕だぜ」と思う人は別にいいけど、「う〜ん、理解が微妙かも」と思ったなら、まずはこの章で基礎を身につけて、この本のテイストを肌で感じてください。
「sed」とか「awk」とか、まともに使ったことがないぐらいのレベルの人であれば、この準備運動、絶対やるべし。この2つのコマンドは、概要だけでも理解しておくと応用範囲が物凄く広いので、初心者を脱出するには不可欠です。
後の章では、この第1章で解説された内容が、前提になっているところが多々あるので、急がば回れで習得すべし。集中してやれば(twitterとか見ないでな!!)、だいたい3時間ぐらいで、通せると思います。
目次を読んで、興味がある分野に目を通す
第1章をクリアしたのち、改めて目次を眺めてみると、コマンドの実例パターンが山のように載ってます。これを眺めてみると、「こんな事もできるんやなぁ」という気持ちがムクムクと沸き上がってくることうけあいです。
自分は、第6章の「画像のデータ形式/サイズ/向きを変える」あたりが、ツボにはまりました。ブログやってると画像のリサイズを頻繁にするんだけれど、Linuxコマンドでこれが出来てしまえば、自動化、効率化のヒントになるやん!!、とまぁ、自分のシチュエーションに合わせてテンション上がったわけです。
スマホで撮って、自動でDropboxにアップロードして、PCに自動同期された後に、リサイズも自動化できたら完璧やん? とか、いろんなアイディアが湧いてくるわけですよ。
そんな、自分にとって価値がありそうなところを探索するのが面白い。
使ってみたいコマンドをあれこれ試す
あとは、もう、興味がおもむくままに試してみれば良いさ。前から順番に読んでいくという几帳面なことも不要。気になる実例シチュエーションを、一つずつ取り入れていけば良いと思います。
コマンドの索引から実例集を引っ張る
実例集という体裁の本なんだけれど、巻末にはきちんと索引があるので、「このコマンド、どうやって活用すればいいんだろうか?」という目的から、本文を参照することも可能です。
「なんかレベルアップしてる・・・」と感じる読後感
ひと通り読んでみて、買ってよかったなぁと思う一番の点は、「この処理、多分あのコマンドの組み合わせでできそうやなぁ」と、感じられる幅が大きく広がった事。
あくまで「実例集」という位置づけの本なので、リファレンス本ではない。各コマンドの細かいオプションの説明が、網羅的に書かれている本ではないんですよね。
ただ、その実例をつらつら眺めていくと、「うぉお、コマンドベースでこんなことが実現できるんだ・・・」という新発見がどんどん出てくるわけですよ。
そうすると、今までコマンドでやろうという意識が全くなかったシチュエーションに対して、「案外、できるんちゃうかなぁ」と、検索してみるきっかけになったりします。
もう、読む前と読んだ後で、Linuxに関して自分が知っていた世界が、明らかに違う。こういう意識改革につながる本って貴重。
そんなわけで、一段上の世界を見てみたいと思うLinuxユーザーにはおススメしておきます。
後、Mac使っている人。前に紹介した画像リサイズとかだけれど、Macで自動化するには凄い良さそうだし、使い道の幅もさらに広がるので、気になったMacユーザーも、見てみてはどうでしょうか。
それでは、今日はこのへんで。ハマコー(@hamako9999)でした。
参考記事
同じ出版社が出している、無料冊子「電脳会議」も、おススメですよ。
PC-記事下-サブ(Amazon)
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