肉体の限界近くをさまよった旅。2014信越五岳トレイル110キロ完走記(中盤〜終盤〜ゴール編)

公開日: : 最終更新日:2016/03/30 running

2014-09-15 03_Fotor

「素晴らしい天候に恵まれ気持よく歩を進めた序盤。しかし、圧倒的に不足している走り込み距離のため、徐々に身体に異変が・・・」

はてさて、ゴールできるんでしょうかね。中盤〜終盤〜ゴール編、ほないってみよ。

スタート〜序盤編はこちら
地獄の前の快適ラン!!2014信越五岳トレイル110キロ完走記(受付〜序盤編)

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中盤(3A〜6A)

信越五岳トレイル110キロ高低差イメージ

涼しい気候もあり、なんとかいい気持ちで乗り切った序盤。ここまで38キロぐらいあるけれど。完走まで後、72キロ。まだまだ先は長い。

3A〜4A

ここは、関川沿いのダラダラ登りが精神的にキツイ。キツイはずなんだけれど、今年は涼しく小雨もぱらつくというパラダイス仕様。去年は、湿った空気がモワ~ンと漂っていたのに、このギャップはなんだ。素晴らしいじゃないか。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

こんな緩やかな登り、この区間だけ走るんだったらかっ飛ばすんだけど、それができない。歩きと走りを混ぜながら、他の参加者の人と雑談しながら黙々と進んでいく。

このあたりから、足首と足の甲あたりに違和感がむくむくと漂ってくる。ウ~ン、嫌だなぁ。まだ激痛というわけではないんだけど、あきらかに練習不足に起因する足の痛みっぽい。これはまずい。今はこの程度だとしても、残り72キロ。やばいんじゃないのかな。

というわけで、前日、こんなこともあろうかと手に入れていた、鎮痛剤をここで服用。医療用でもない、おもに頭痛、歯痛用のモノだけれど、この先にもお世話になるかとおもい、このタイミングで投入。

投入後、15分ほど経過すると、きもち足の痛みがすっきりした気がする!!これは使えるなぁいいじゃないのぅ。今回は、この鎮痛剤で乗り切ってやる!!と、前向きな気持ちに。

関川沿いの写真。爽やか風じゃないですか!!

信越五岳トレイル2014

 

関川の登りが終わった後、気持ち良い〜トレイルを走りぬけ素晴らしい下りを降り切ると、4A到着。この区間は、鎮痛剤効果もあり、だいぶいい感じで乗り切れた。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

エイドの人に撮影してもらう。気持ち的にはエイドであんまりのんびりしてると、時間がどんどんかかっていくから、きをつけたほうがいいんだけれど、制限時間22時間だからねぇ。写真取るための多少のタイムロスは織り込み済み。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

4A〜5A

この4A直後の、8キロほどの林道登り。最悪だ!!走れない登りなので歩くんだけれど、のんびり歩いていると、どんどんペースが落ちていくので、早歩きを極力心がける。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

途中ガスってきた道中を乗り越えてようやく林道終了し、急で危険な下りを降りると、名物吊り橋。この吊橋、下がスケスケで歩いているだけでもかなり揺れるのが面白い。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

この吊橋の直後には、コース全体でナンバー1と思われるつづら折れの急登。このドラム缶が見た目面白くて、アホ急登なんだけれど、なんだか好きな区間。非日常体験的なコースが、疲れて萎え気味の気持ちに新鮮な感情を送り込んでくれる。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

この急登を登り切ると、気持ち良いトレイルを抜けて、牧場に。遠目に牛がいるんだけれど、今年は、あんまり寄ってきてくれなかったなぁ。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

こんな気持ち良いコースを走り(歩き)抜き、

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

何だこの牧場・・・でかすぎ・・・!! と文句を言いかけたぐらいの時に。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

ようやく、5Aに到着。この区間かなり疲れた。4Aで炭水化物の補給が不足していたのか、途中から頭がボーっとしてシャリバテの感じ。この5Aはペーサーのコージーさんと合流するし、荷物をあらかじめ預けておくことができるので、しっかり、後半の準備をする。

ウェアを着替えて、ゼッケンを付け替えて、夜間走に備えてヘッドランプを装着。そして、食べて食べて食べまくる。さらに、2回めの鎮痛剤も投入。

ここまでで62キロ。まだ残り、48キロ残っている。かなり足の痛みがじんじんくるようになっていたけれど、鎮痛剤でなんとかごまかしきればイケるんじゃという気持ちになってきた。

5Aにてペーサーのコージーさんと。なんで、Tシャツおそろいやねん・・・

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

5A直後の橋にて。この時、午後5時過ぎぐらいかなぁ。日が落ちてきた。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

階段の上から、乙見湖をバックに。この写真を最後に、爽やか笑顔は消えてなくなります。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

5A〜6A

今振り返ると、一番調子が良かった区間。遂に夜間走にはいるんだけれど、去年も体験しているので、妙な緊張は無し。

最初のトレイルはてて〜っと走る。お、調子ええなぁ。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

林道終了後、日も暮れて遂にランプ点灯。ここからの登りが、かなり足元がぬかるんでいて大変なんだけれど、登りについては、足の痛みもほとんど関係ないので、これ幸いともりもり登る。走力無い割には登りは、まだまだ体力で補える。

登り切った後は、長い長い林道の下り。夜間走になると、昼間に比べて精神的な消耗度が半端ない。ここまできて、捻挫とかでリタイアなんてことは一番したくないので、慎重に、でも、あるていど飛ばしつつ、下りを軽快に降りていく。

下りはもろに足に負担が来るんだけれど、ここまでは、鎮痛剤もよく効いていた。この区間で30人ぐらいは抜いたんじゃないだろうか。

快調に6Aに到着。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

すっかり日が暮れたエイドは、野戦病院(by石川さん)の趣き。大勢の人がサポートしてくれてます。これだけの設営、ありがたいことですよ。ほんと。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

この地点で82キロ!!までやってきました。さすがにつかれて、爽やか笑顔をつくるのがつらくなったところの一枚。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

ここまで、足の不調以外のトラブルはほぼ無し。食欲も十分にあったので、なんせエイドでは食べまくることを最優先。いい感じで中盤乗り切れた。後は、終盤や!!

 

終盤(6A〜感動のゴール!!)

信越五岳トレイル110キロ高低差イメージ

いままでごまかしていた、足の痛みが、本格的になってくる終盤。ここから先は、正直思い出すだけで、気持ち悪くなってくる・・・

6A〜8A

6Aから8Aまでは、トレイルも平坦でエイド間も5キロほどと、疲れた身体にはナイスナイスのコース設定。8Aからゴールまでの体力を残すことを優先して、ここは飛ばさない。というか飛ばせないんだけれどね。

早歩きに徹する。わずかにある下りは走るけれども、それ以外は極力足を温存することを心がけて。

7Aでも、飯を食うことだけは怠らず。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

7Aを超えて、8Aに向かうところで、キタ。足の痛みがヤバイ。唯一登りだけは、大丈夫だけれど、平坦なところとか下りに差し掛かると、足全体、特に足首周辺と、右足の甲、そしてなにより一番重要な股関節がきしみだした。

やべーよ。3度めの鎮痛剤を投入しようと思ったけれど、まだ、8A以降に最大の難関、瑪瑙山があるのに、ここでのんでしまうと、後にきかなくなる。

そもそも前回飲んでから、まだ4時間程度しか間隔があいてないから、腹に異変が起こるかも・・・食欲がなくなって動けなくなることだけは、絶対に避けなければならない。今まで腹の調子はかなり順調なんだからもったいない。

今は、鎮痛剤飲めない。飲んじゃ駄目だ。痛みは、気合で切り抜けろ・・・

ペーサーのコージーさんも並走してくれてるんだけれど、足が痛くて、会話全く無し。喋るのも億劫。あぁ、はやく8Aにたどりついて、そばくって、鎮痛剤飲みたい。その一心で、真っ暗なトレイルを先に進む。

そんな気持ちで、かろうじて8Aに到着。ここには、信州名物、あったかいそばがある!!早速食う!!

 

あぁ〜ありがたい。暖かい。五臓六腑に染み渡る・・・こんなうまいそばを食ったことが未だかつてあっただろうか。空腹は極上のスパイスどころか、ウルトラトレイルは、天国からの贈り物だよ。何言ってんだ。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

コージーさん「ハマコーさん、こっち向いて〜」

「はい・・・?」

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

そばを4杯ほどかきこんだら、早速鎮痛剤を投入。早く効いてくれ。動けない。

この時、足のマッサージのために椅子に座ったのが良くなかった。たった3分ほどだったけれど、立った時の足のかたまり具合が半端ない。

自分の下についているのが、ただの棒か?なんだこれ?と思うようなレベル。こんなの初めて。これで、真っ暗闇の中、400メートル登って降りて18キロ走るの・・・ほんまかよ・・・制限時間まだ余裕あるし、30分ぐらいやすもうか・・・いいだろ、ここまでがんばったし、疲れたよパトラッシュ・・・

 

アカン!!アカン!!

 

ここにとどまるのはヤバイ。身体が固まる。体温も落ちて二度と走れなくなる。長居は危険だ。と、動物的直感で判断し、そそくさと8Aを後にする。

後から考えると、ここに長居をするかどうかが、完走の分かれ目だった。

 

8A〜ゴール

よろよろと8Aを後にする。

え、股関節死ぬほど痛いんですけど・・・

「(えー、どうしよう。もうこれ、無理だろ。なんでこんなんなるまで走ってるんだろ。もう十分がんばったよ。8Aまで来たし。また来年もきたら良いじゃないか。もうつらたん。つらいつらいつらい)」

足を進める。

「(ここからだったら、8A戻るの10分ぐらいか。ちょうどいいや。もう無理。リタイア。おれ頑張ったよな・・・。よし、振り向いて後ろのコージーさんに、リタイアします、というだけだ、そうしよう)」

コージーさんは、ずーっと後ろをついてきてくれている。

「コージーさん・・・あの・・・」

コージーさん「はい?」

「あの・・・足痛いすけど・・・そんで・・・でも、瑪瑙山がんばりましょう」

 

リタイアなんて言えるか!!

 

今振り返ってもハッキリと言い切れる。この時、コージーさんいなかったら、120%リタイアしてた。ほんとに辛くて辛くて頭のなかで葛藤してたんですよね。

でも、遠いところからわざわざペーサーとして自分の伴走でかけつけてきてくれた人にそんなこと、とてもじゃないけれど言えないじゃないですか。

ペーサーは、選手の手を引っ張ったり体を支えたりの直接的なサポートは禁止されてるんだけれど、ずーっと後ろをついてきてくれているコージーさんに、この時は物凄い勢いで背中を押してもらったのでした。

 

そんなことを、頭のなかでぐるぐるぐるぐる考えている間に、瑪瑙山への登りが始まった。もうここまでくれば、やるしか無いだろうと覚悟をきめる。

この登り、アホだ。

100キロ近く走った後の登りじゃないだろ、これなんだ。なんだけれど、登りは、幸いなことに足の痛みにはあまり関係ない。それだけが救い。体力はまだあったので、最後の登りをマイペースで登りきる。

あとは、下り。下りだけれど、もう完全に足は終わった状態。鎮痛剤も効いてないだろ、これ。痛すぎるし1日に3回も飲んでたら効かないわな。そりゃ。

ここからの下りと、ゴールまでの林道は、本当に本当に長かった。ほぼすべて歩きでの約2時間30分。もう夜中の1時も過ぎて眠りそうなんだけれど、足が痛すぎて全く眠くない。

ゾンビのように、でも一歩一歩足をすすめる。この区間で多分、50人ぐらいに抜かれた。でも、足進めてれば確実にゴールは近づいてくるんだな。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

長い長い林道を歩いていると、ゴール会場の明かりが見えてきた。ようやくたどり着きそう。ここまで22時間弱、110キロ。

長かったな。いろんなことあったなぁ。家族に無理言って、2泊3日まるまる外出するの許してもらったし。いろんな人にお世話になったなぁ。足、死ぬほど痛いなぁ。コージーさん、ずっと付き合ってくれてありがとうございます。もう、あのゴールゲートくぐると、全て終わるのか。早く終わりたいような、もったいないような・・・

いろんな思いが交錯し、おもいっきりナチュラルに自然に涙が出てきて、コージーさんと一緒にゴールテープをきりました。

信越五岳トレイル2014

 

「終わった〜〜〜」

信越五岳トレイル2014

 

 リザルト2014 - SHINETSU FIVE MOUNTAINS TRAIL 110km

出走:658名
完走:539名
総合順位 477位、タイム 21時間40分11秒

制限時間22時間の20分前での完走でした。

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

お世話になりまくった、コージーさん

2014信越五岳トレイルレース110キロ

 

完走した今の気持ち

ウルトラトレイルレース、半端ないです。今まで、フルマラソンや50キロのトレイルレースなんかにでたことはあったけれど、100キロ超えたレースの完走はこれが初めて。

達成感もそうだし、身体のダメージも尋常じゃない。寿命も確実に縮めている。でも、やっぱり完走できたのは、イマ振り返っても本当の本当に良かったと思う。

トレイル走り始めてから5年程かな。レースだけが、トレイルの楽しみじゃないけれど、こんな素晴らしいレースを開催してくれた、レースプロデューサーの石川弘樹さん、関係者の方々、後、膨大に参加して大会を支え盛り上げてくれたボランティアの方々に、この場を借りて感謝の気持ちを表したいです。ありがとうございました。

完走後、15時間後ぐらいの写真。意味不明なむくみ方が、ロングレースの苛酷さを物語ってます。なんか、身体の防衛反応で、水分を溜め込むらしい。足首周りもパンパンで、これにはびっくりしたなぁ。。

完走後のむくみ

 

来年、出場するかな?w でも、今回さんざんお世話になったしペーサーするというのも良いかもですね。今はゆっくりしつつ、次のつくばマラソンに向けて、頑張っていきます。

それでは、今日はこのへんで。ハマコー(@hamako9999)でした。

 

レース振り返り

道中、結構反省点もありました。テクニカルな部分はこちらで振り返っておきます。

ちゃんとした痛み止めはやはり必要

今回、そこらへんのしょぼい売店みたいなところで買った鎮痛剤を使ったけれど、正直効きはイマイチだった。ある程度の事前確認は必要だけど(体質的に問題ないか)、やっぱりロキソニンはあったほうが、ストレス無くレース進めることができると思う。

まぁ、そんなもの必要ないぐらいにトレーニング積めておければいいんだろうけれど、なかなかそうもいかない場合も多いかと。最終手段として、やっぱり用意しておくべき。

 

夜間走行での水分不足に注意

夜だしほとんど汗かいてないと思っていた、8A〜ゴール。8Aであまりにも余裕が無くて、水分調達忘れていたので、この区間でハイドレーションの水がなくなり、かなりの水分欠乏症に。

幸いコージーさんの水をもらって大事に至らなかったけれど、夜間走で気温は落ちていても、水分は必ず必要になる。エイドで確実に補充しておくべし。

 

ライト類の電池は新品で

これも地味にきいた。もちろん、電池は新しいのを用意してレースに臨んだんだけれど、結構早い段階から、照度がイマイチになって落ちてきていた。

コレは多分、電池自体が去年買ったもので劣化していたからだと思われる。確かに全然使ったこと無い新品だったんだけれど、買った日付自体が1年以上前だったのは、あんまり良くなかったのかも。

大した値段でもないから、電池は完全に新品の物を使ったほうが、精神的にも良い。

ちなみに、今回使用したライト類はこちら。安いけれど、性能は全く問題なし。激オススメです。

 

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Comment

  1. Kacey より:

    すごいです。
    読んでて感動しました^^

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