鳳凰三山トレイルラン(初めての南アルプス)、登ってはいけないオベリスク
公開日:
:
最終更新日:2016/03/30
running
だいぶ前から行こう行こうと思っていた南アルプストレラン。今までは、奥多摩とか高尾山とかぐらいの東京近郊しか走ったことなかったので、いきなりグレードアップなわけです。でも、会社休んでまででも行ってよかった。
目次
山行記録
今回のrunkeeperログはこんな感じ。 http://runkeeper.com/user/tolkine9999/activity/230784732
なんだこれ、コース全くわかんないな。夜叉神峠駐車場を出発して、鳳凰三山を堪能してピストンで戻ってくる。 主な地点の標高はこんな感じ。
夜叉神峠駐車場:1370m
薬師岳: 2780m
観音岳:2840m
地蔵岳:2764m
富士山さえ登ったことがない自分にとっては、雲取山の2000mを超すアルプス級の山々。まぁスタート地点が結構高いからなんとかなるべ。
東京出発→夜叉神峠まで
今回は車を使います。峠口から朝早く出発するには、なんてたって車が便利。着替えとかいりそうなものは適当に放り込んで、一路夜叉神峠まで向かう。芦安温泉から夜叉神峠までの車で20分ほどの峠道が、深夜走るにはなかなか不気味で恐かった。独りとかこういうとき心細いんだよ(´・ω・`)
2時ぐらいに目的地に無事ついた。寝る。 朝の夜叉神峠は駐車場も結構あって広々。
広河原行きは、完全マイカー規制。なんとまぁ厳重な。
しかし困ったことに、auの電波が全く通じない。。。通行規制しているおっちゃんに聞いてみると、このへんはdocomoしか通じないらしい。
やっぱり山はdocomoかぁ。家にXi端末あるくせに持って来れば良かった。。。 そそくさと準備をして、いざ出発。トレランは荷物も小さい。こんなんでええんかな。南アルプスやっちゅうのに。
夜叉神峠駐車場(6:13)→南御室小屋(8:56)まで
この区間はひたすら登り。正直登りに全く進化が見られない自分なので、まぁマイペースでぼちぼち行きます。山深い素敵な雰囲気。
ただ、やっぱり南アルプスともなると、大きい岩でがれているところも多い。タカタッタの鳳凰三山特集で、鏑木さんが「超走りやすいですよ!!」とか言ってたけど、こんなところ下りも走り抜けれる人ってどんなんやねん。無理ゲーすぎる。
こういうとこは、いいんだけど。
そんなこんなでマイペースで歩を進めて、南御室小屋に到着。湧き水もあってトイレも完備で綺麗。しばし休憩。
湧き水冷たい!!ワオ!!
南御室小屋(9:10)~薬師岳山頂(10:13)
遂に森林限界を超えるコース!!何のために南アルプスまで来たかって、森林限界を超えたかったからですよ!!ほんなわけでいっちょ行きます。
ここらへんは、今回のコースの中で一番の急登が続く。けどそんなに長くないし、じっくり進んでいく。
お!?なんか開けてきたで(´・ω・`)
ドドーン!
山頂でも何でもない、ただの尾根沿いなのに素晴らしい。どうもありがとうございました。天気はいまいちだけど初体験の自分にはお腹いっぱい。もう、思い残すことはなにもありません。
このためだけに南アルプスくんだりまで来たかいがあったってもんだ。今まで登った一番高い山が雲取山2000メートルで、しかもそのときは、雨がザザぶりで全く何も見えない天気だった。
この高地での稜線上のトレイルを味わえるこの瞬間、ここが今回のトレランで一番気持ちが高揚したタイミングだった。 登山の技術や知識はなんもないんだけれど、こんなところにこれて幸せ。トレランやってて良かったと素直に思えた。
なにもおおきな道具をつかわない自分だけの身体でこんなところまで来れるこの快感。この自由度。誰にも邪魔されないフリーダムな気分。最高です。普段の仕事のことなんか全て忘れて、しばし、のんびり佇む。 普通の山にはあまりないような花崗岩が削られた白砂の世界。
そんなこんなで、薬師岳山頂に到着。山頂にしては物凄く広く異次元の雰囲気。でも今日は金曜日だから山頂には自分とは別におじさんが独りいるばかり。そんなおじさんにお願いして一枚。
山頂はほんとに広い。天気はいまいちだけど、これぞ南アルプス。奥多摩とは次元が違う眺望。でも曇っていて北岳とか甲斐駒ケ岳とか他の南アルプスの山々はよくわかんなかった。
次の目的地観音岳を目指して。この尾根上稜線の感覚は何度見ても素晴らしい眺望。
薬師岳(10:40)~地蔵岳(11:45)
3000メートル級尾根を快調にランニングで最高に気持ちが良い!!だろうと思っていた鳳凰三山ピストン部分。こんなところ走れるわけないやろアホかw
タカタッタの特集で気持よさそうに鏑木さんが走っている写真をみて、自分みたいなへっぽこでも走れると勘違いしてました。こんなところ走れるのはプロだけやろ。 すぐそこに見える観音岳。
稜線上から1000メートルは転げ落ちることができそうな崖を傍らにさくさく進んでいく。ここまではよござんす。
観音岳山頂までは15分程度。
すぐそこに見える地蔵岳、オベリスク。これ近くに見えるんだけど・・・写真中央ちょっと左ぐらいにぽつんととんがっているのが、それ。
進んでも進んでもなかなかオベリスクが近寄ってこない。ここらへんはほとんど道らしい道がなくランニングはおろか普通にあることもおぼつかない感じ。
そもそもルートが全然わかんないので、岩や木に塗られている赤ペンキをたどりにえっちらおっちら進んでいく。 あかんやろこれ。標高2800メートルほどで登りはすぐ息があがるから、なんかもう異常に遅くて気分が悪い。 まだ、あそこ?
近くなった?
もうちょいか!!
あぁー、着いた。時間にして40分ほどだけど異常に遠く感じた。あの山頂はなんかの作り物としか思えない異質な雰囲気を漂わせている。地蔵岳のオベリスクとはよく言ったもの。
この手前に賽の河原というお地蔵さんがたくさん鎮座している場所がある。周りに人っ子一人居ないし、なんかこえーよ・・・とりあえず、お参りしておくナムナム。
オベリスクとお地蔵さん。
登った後にほんとに後悔した、オベリスク。ほんとに後悔したYO
普通の登山では、この賽の河原部分で地蔵岳は登頂でいいんだけど、こんなところまで延々やってきてどんなものか体験しないのも勿体無い、もったいないお化けの貧乏精神で、とりあえず取り付きまでは行ってみることに。これどうやって登るんだろ。 えーと、どっから登るんですか?
実は取り付きへの入り口が全然わからなくて、30分ぐらい周囲をウロウロ。もう行き方が全くわからず諦めかけた時に、オベリスクの上から先に登っていたおじさんがひょっこり顔をだす。
「あかんあかん、にーちゃん、そっからは登れへんで!!回って!!」
「え?あ?ここくぐっていくの?」
言われたところは、大人独りがくぐってよーやく近づけそうなちっさな穴。これなにも知らずに来たら絶対わかんない。このせっまいところを通り抜けて行くとようやく取り付きに辿り着く。
ようやくオベリスク直下からぶら下がったロープを掴んで、件のおっちゃんにパチリと撮ってもらう。このときは、まだ元気一杯だった。コレ既に右手でロープつかんでいる状態。ここから3メートルほど垂直の壁をロープを掴んで懸垂であがる。上がった後にほんとに後悔した。
死ぬ気でロープ掴んで頂上到着。でも上にいたのは多分3分ほどかと。。。風も強いし天気も悪いし、全然おちつかなかった。
正直怖くて怖くて仕方なかった(´・ω:;.:… 無理やり撮った一枚。落ち着かずに撮ってるから方向が適当。
下を見ると、、、え・・・、なんでこんなたかいねん・・・どうやってここまで来たんやろ orz…
ここからロープ掴んで降りるのに、死ぬほど苦労した。
降りるのは登る時の5倍ぐらい怖い。昔カミさんとタイのプーケットで60メートルほどをバンジージャンプしたときもあったけど、あの時のほうが怖くなかった。 こっちのほうが怖い。
ここはリアルで手を滑らしたり、足踏み外したり、握力なくなったら、ここを転げ落ちていくとリアルに感じられたから、もう、なんかね。。。
家族がいる身分でヘタレで特にこういった技術がない自分は、こういうのは二度としません。申し訳ありませんでした!! このオベリスクで優に一時間以上使ってしまう。体力的にはどうってことないけど、精神的消耗度が半端無かった。
地蔵岳(12:54)~薬師岳小屋(14:11)
正直オベリスク関連で精神的にだいぶ疲労したから、「ここまできたのを折り返すんか・・・」とかなり面倒くさい気持ちになって、このまま広河原に降りようかと思ったけれど、それはそれでやっぱり勿体無いので、当初の計画通り戻ることに。 こんな岩場を登ったり降りたりして。
ようやく、薬師岳小屋まで帰ってくる。
ちょっと雨がぱらついていたから、ここで立ち寄ってクリームパン補給と共に、先ほどのオベリスクについて聞いてみる。
小屋の主人いわく「あのロープ、良く使いましたね。かなり劣化してたでしょ。あれは使っては駄目ですよ。なんとなくついてるからアレ使って登っている人多いですけど、ちゃんとクライミングの技術ある人が登らないと、怪我しますよ。いまでも定期的にロープが切れたり、滑ったりして血まみれになっているひと多いですからね。」
∑(゚д゚lll)ガーン ちゃんとクライミングの技術がある人は、あんな頼りなく安定しないロープを使って登ったりはしないらしいです。。。運が良かっただけやね・・・もう止めましょう。
自分はたまたま大丈夫だったけど、まわりに人がほとんど居なかったし、ほんとに恐かったです。安全を過信せずに、一定数怪我している人もいるみたいなので、自分登っといてあれですが、正直オススメはしません。完全に自己責任の範疇ということで。
薬師岳小屋(14:30)→夜叉神駐車場(16:37)
ここから先はほとんどノーストップで下り。まぁ気持ち良くてひと通り走れるんだけど、なんだか精神的にも疲れているしなんせ長い。
あと、精神的に飽きてきたところでの、気を抜いての転倒が怖かったから常識の範囲内で飛ばす。
でも、絶対走れないところも結構あるよ。 これとか。というかこんなところ走れるわけないやろ。タカタッタの特集で鏑木さんが「気持よく(ry
そんなこんなで、16:37によーやく最初の夜叉神峠駐車場に戻ってきた。ホット一息。行動時間は手元のガーミンで8時間ちょいでした。お疲れ。
この前の雲取山の時も思ったけど、独りは精神的に消耗する。特に今回みたいに南アルプスとか標高が高くて、しかもメジャー路線なのに登山者もほとんど居ない時(ほんと少なかった・・・全部で10人ぐらいかな。トレランの人も皆無)だと、骨折した時の事を考えたりしてどうしても100%ではいけない。
でも、それでいいでしょう。自分みたいに体力も技術も半端なトレラン野郎が単独で行くときは、はっきり100%は出してはいけない。気張って9割、通常運転で8割ぐらいにとどめておくべきかなと思う。
そうやって振り返れば、まぁタイムはこんなものかと。一般登山者のコースタイムの半分にはいかず6割ぐらいだけど、今の自分の実力として謙虚に受けておくべきでしょう。
南アルプス最高峰のコース、白峰三山一日トレランもやっぱりまだ無理。後一年鍛えて来年にチャレンジしたい。ただ、尾根上の雲上トレイルはほんとに別世界で気持ちよかった。また来たいな。スケジュール的には、今年もう一回南アルプス来ることはないだろうから、北岳や甲斐駒ケ岳等はまた来年にとっておくことにしましょう。
3週間後の、信越五岳110キロトレイルに向けて長時間行動として良い練習になった。体調しっかり整えれば、なんとか完走はいけるかな・・・後ちょっと、身体絞っていきましょう。
おまけ
鏑木さんが地蔵岳オベリスク直下を気持ちよく走るの図。こんなん、だまされた気分やw
PC-記事下-サブ(Amazon)
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